豪州初の「コアラ国立公園」が誕生か


豪地方選で野党が公約、絶滅が危惧されるコアラを保護

豪州初の「コアラ国立公園」が誕生か

オーストラリア・シドニーのタロンガ動物園のコアラ(タロンガ保護協会が16日提供)(EPA=時事)

 オーストラリア・ニューサウスウェールズ州(州都シドニー)で3月28日に行われる議会選挙に向け、同州の野党・労働党は19日、政権を奪還したら、絶滅が危惧されるコアラを重点的に保護する豪州初の「コアラ国立公園」を開設するとの公約を発表した。

 国立公園の候補地は、州北東部のユーカリ林など。面積3150平方キロと東京都の1・4倍の広さがあり、推定4500頭のコアラが生息しているという。

 コアラ病院を設置して保護に努めるほか、遊歩道や観光案内所を設けて「コアラ観光」振興も図る。州労働党幹部は「コアラ絶滅を見過ごした世代と呼ばれたくない」と訴えた。

 豪州には欧州からの入植が始まる18世紀末まで、推定1000万頭に上るコアラが生息していた。しかし、毛皮目的の乱獲や森林破壊、流行病、交通事故で、今では数万頭にまで激減したとの推計もある。(シドニー時事)