かつての避難所で中高生らがコンサート
「震災後」に未来託す、佐渡裕さんが指揮
20年前の阪神大震災時に避難所となった神戸市長田区の駒ケ林中学校で17日午後、中高生らが出演する「元気を明日へつなぐコンサート」が開かれた。壊滅的な被害を受けた地域で震災後に生まれた子供たちに「震災を考えてもらいたい」と、被災者らが企画。同区で妻の実家が全壊したという指揮者の佐渡裕さんが演奏を指揮した。
コンサートには区内など八つの中学・高校から約200人が出演。「上を向いて歩こう」を演奏すると、観客らも共に口ずさみ拍手を送った。
同中学校は地震直後から約7カ月間、避難所となり、一時は2000人以上が身を寄せた。企画した峯松文男さん(66)は、全焼した同区の大正筋商店街で当時、玩具店を経営していた。「震災後に苦労しながら子供を育てた家も多い。一歩一歩進んできた」と振り返る。佐渡さんは「復興に尽力されてきた方々には『ご褒美』に、子供たちには、地域で何があったか興味を持つきっかけになれば」と話した。
参加した長田高校2年の竹下理那さん(17)は「今後、震災を伝えていくのは私たちの仕事。今は私たちの音楽で地域の人たちが元気になってくれるのが一番うれしい」と笑顔で話した。