さよなら「新宿ミラノ座」、58年の歴史に幕
「映画への熱い思いは永久に不滅」、延べ3000万人が鑑賞
東京都新宿区の繁華街・歌舞伎町の映画館「新宿ミラノ座」が31日、58年間の歴史に幕を下ろし閉館した。国内最多の1064席を擁し、延べ約3000万人が鑑賞した。最終上映の「E.T.」は立ち見客も出るほどの盛況。終了後、横田浩司総支配人(54)が「ミラノ座の名前と私たちの映画への熱い思いは、永久に不滅です」とあいさつすると、場内は拍手と歓声に包まれた。
ミラノ座は1956年12月1日に開館。「荒野の七人」「大脱走」「マトリックス」など洋画の大作を中心に上映し、82年公開の「E.T.」は、同館で最高となる約53万人の動員を記録した。近年は複数のスクリーンを持つシネマコンプレックスが台頭。建物の老朽化もあり、閉館が決まった。
夫と最終上映を見た新宿区の飯村和美さん(42)は、幼い頃から父親に連れられ同館に。「1000人が大スクリーンで映画体験を共有できる貴重な場だった」と別れを惜しんだ。