ボクシング世界戦、高山勝成が連打で悲願成就
日本選手初の主要4団体制覇を達成
7回。高山は大平に何十発もの連打を浴びせて悲願を遂げた。36戦目での主要4団体制覇は、日本人初の快挙。「本当に誇りに思う。うれしい」。セコンドに肩車され、4本のベルトを体に巻くと、高山は誇らしげに拳を握った。
序盤は相手のカウンターとアッパーに、出足を止められた。それでも陣営は冷静だった。中出トレーナーは、「試合が成立した5回から圧力をかけていこうと思った」と言う。
その5回からスピードを一段階アップ。相手の嫌がる左ボディーを徹底して打ち、一気に流れを引き寄せた。「前半は良くないペースだったけど、手数と圧力でつかまえられると思った」。歴戦の高山が慌てることはなかった。
ただ、今回のWBOの王座決定戦については、疑問が残る。10月のランキングで12位の高山と13位の大平が、11月には1位と2位にランクされた。高山は8月に敗れた試合、大平も9月に日本王座を防衛した試合が最後。急上昇の理由は見当たらず、不可解と言わざるを得ない。
「2015年のことは、今は何も考えていない」と高山。敵地もいとわずに世界挑戦を続けてきた高山なら、偉業の価値をどう高めるべきか分かっているはずだ。