来年は「ロケットイヤー」、油井さん初飛行も


鹿児島県・種子島宇宙センター、5回打ち上げを予定

来年は「ロケットイヤー」、油井さん初飛行も

2015年、宇宙に旅立つ油井亀美也飛行士=12年10月、東京都千代田区の宇宙航空研究開発機構

 12月3日、小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げに沸いた鹿児島県・種子島宇宙センター。2015年はロケットの打ち上げが最大で5回予定されており、近年では06年の6回(うち種子島4回)以来の「ロケットイヤー」になりそうだ。

 種子島宇宙センターでは、15年1月29日に情報収集衛星(IGS)を搭載したH2Aロケット27号機の打ち上げを予定。IGSは3月までもう1機予定されている。

 15年後半には、三菱重工業が海外の民間企業から初めて受注したカナダの通信放送衛星の打ち上げが実施される。衛星は重さ約5トンで、固体補助ロケット(SRB-A)を4本装備したH2Aの「204型」が9年ぶりに使われる。静止軌道への投入時、第2段エンジンを効率的に使って衛星側の燃料消費を抑える新技術も併せて用いる。

 宇宙科学・探査分野では、ブラックホールの構造解明など日本が得意とする「高エネルギー天文学」を担うX線天文衛星「アストロH」を準備。国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人補給機「こうのとり」(HTV)5号機を載せたH2Bロケットも打ち上げられる予定だ。

 国外では、5月に初めて宇宙に向かう油井亀美也さん(44)がソユーズロケットに搭乗。カザフスタン・バイコヌール宇宙基地からISSへと旅立つ。

 13年9月、小型固体燃料ロケット「イプシロン」初号機を打ち上げた鹿児島県・内之浦宇宙空間観測所では、予定されていた2号機が衛星の開発遅れにより16年度に延期。15年の打ち上げ予定はなくなった。