イオン、中国内陸に初のモール


台頭する中間層取り込み

イオン、中国内陸に初のモール

オープンしたイオンモールに詰め掛けた買い物客=19日、中国・武漢(時事)

 イオンは19日、中国内陸地域で初となる「イオンモール武漢金銀潭」を湖北省武漢市にオープンした。これまで沿海部で展開してきたイオンは、中間所得層が台頭してきた内陸部に進出し、旺盛な購買力の取り込みを図る。

 中国では景気減速傾向が鮮明だが、同国内陸地域は相対的に高い成長率を保つ。特に華中地域の要である武漢市は、堅調な自動車産業の拠点で勢いがある。小売業にとって、北京や上海などを追う武漢の購買力は魅力だ。

 イオンは2008年以降、中国本土で北京などに5カ所のモールを展開してきた。新モールは武漢市当局の積極的な働き掛けに応じたもので、地上4階、地下1階建て、延べ床面積は18万2000平方メートル。直営スーパーのほか、ニトリやユニクロなど約200店舗が入った。

 中国ではネット通販が実店舗を脅かす存在になっている。新モールは、中国イオンモールで最大規模の飲食スペースを設けたり、遊び場付きの大型子供用品売り場やシネマコンプレックスを開設したりして、「ネットではできない体験を提供する」(イオン関係者)ことで対抗する。

 イオンモールの岡崎双一社長は「中国の小売りは毎年十数%伸びている。こんな国は世界にほとんどない」と、中国展開に大きな期待を寄せた。

 19日はオープンから1時間で約1万人が入場し、好調なスタートとなった。(武漢〈中国〉時事)