喜び三者三様、ノーベル賞授賞式
赤崎さん「長い道のり」、天野さん「最高に緊張」、中村さん「帰ったら仕事」
金色のメダルを手にした日本の科学者3人に、笑顔が広がった。10日夕(日本時間11日未明)、ノーベル賞の授賞式が行われたストックホルム中心部のコンサートホール。赤崎勇名城大教授(85)は「長い道のりだった」と語り、天野浩名古屋大教授(54)は「最高に緊張した」。中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)は「帰ったら仕事」と笑顔で話し、3人はそれぞれ喜びをかみしめた。
授賞式は10日午後4時半(同11日午前0時半)に始まった。優雅な音楽が鳴り響く中、赤崎さんを先頭に5部門11人の受賞者が登場した。
照明が抑えられた薄暗い会場で、王室関係者や受賞者らが座る舞台に光が当たっている。授賞理由となった青色発光ダイオード(LED)の説明が終わり、最初に賞状とメダルを受け取ったのも赤崎さんだった。
ノーベルの頭文字「N」が記された舞台中央へと進み、スウェーデンのカール16世グスタフ国王と握手。ファンファーレが鳴り、赤崎さんはきちんと腰を曲げてお辞儀した。
続いて天野さん、さらに中村さんが同じようにメダルを受け取る。会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
授賞式は1時間余りで終わった。赤崎さんは穏やかな笑みを浮かべ、満足そう。家族らと一緒に壇上で記念写真を撮り、「長い道のりだった」と振り返った。
天野さんは「めちゃくちゃ緊張した」「(メダルの)重さも分からなかった」と話しつつ、喜びを隠せない様子。着物姿で夫を見守った妻の香寿美さん(54)は「えんび服が似合っている。ほれ直しました」とのろけ、天野さんも「家内の顔だけは見えました」と笑顔で話した。
中村さんは「無事終わりまして、帰ってから頑張って仕事です。早く帰りたい」と口調も滑らか。軽い足取りで会場を後にした。(ストックホルム時事)