晩さん会が華やかに、「素晴らしい経験」
偉業をたたえ、王族や招待客ら1250人が集まる
ノーベル物理学賞に輝いた赤崎勇名城大教授(85)と天野浩名古屋大教授(54)、中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)は10日夜(日本時間11日未明)、授賞式に続いて行われた恒例の晩さん会に出席した。天野さんは「素晴らしい経験だった」と喜び、3人を代表してあいさつした中村さんは「ほっとした」と笑顔で語った。
ストックホルム市庁舎「青の間」。パイプオルガンの荘厳な音色が響く会場には、受賞者や王族、招待客ら1250人が集まった。天野さんと中村さんは、着物姿の夫人と燭台(しょくだい)や花が並ぶ中央の長テーブルに着席。体調が万全でない赤崎さんは途中退席するため、本人の希望で中央から離れた席に着いた。
メニューはカリフラワーのクリームスープに、鹿肉とニンジンのテリーヌ、マッシュポテト。260人のウエーターが温かい料理を一斉にテーブルに届ける手際の良さは神業のようだ。食事の合間にはダンスパフォーマンスも披露され、受賞者を楽しませた。
中村さんは、うたげの最後に物理学賞受賞者を代表し、「青色発光ダイオード(LED)が実現し、人類に大きく貢献できたことを光栄に思う」とあいさつした。
終了後、天野さんは「音楽も飾られた花も完璧。緊張したけれど本当に楽しかった」と満面の笑み。隣り合わせになったスウェーデンのシルビア王妃とは終始顔を近づけて談笑したが、「ご興味は別のところにおありだったみたいで、LEDの話はできなかった」と苦笑いした。
中村さんは「ほっとしている」とリラックスした表情。席が近かったカール16世グスタフ国王には「(王宮で使う)ろうそくと同じものをLEDでできる」と説明し、環境に優しいLEDを売り込んだと表情を緩めた。(ストックホルム時事)