「うれしく光栄、3人同時優勝というイメージ」


ノーベル物理学賞を受賞する青色LEDの中村修二さん

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ノーベル賞授賞式を前に、インタビューに答える中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授=5日、ストックホルム(時事)

 青色発光ダイオード(LED)の開発でノーベル物理学賞を受賞する中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)が5日午後(日本時間6日未明)、ストックホルムのホテルで報道各社のインタビューに応じた。中村さんは日本の3人の共同受賞について「うれしいし光栄だ。3人同時に優勝というイメージ」と語った。

 愛媛県出身の中村さんは、日亜化学工業(徳島県阿南市)の社員時代に青色LEDを開発した。「徳島県民に『何か』があった。誇りに思っていいし、自信に思っていい」と述べ、大学時代から過ごした徳島に愛着をにじませた。「元部下たちが貢献した。実直、真面目さが(青色LEDを)実現したのかもしれない」とも話した。

 日亜とは発明の対価などをめぐり裁判で争った。受賞決定後、中村さんは日亜に関係改善を呼び掛けたが、社長との面談は実現しなかった。今後の関係については「しばらくやることは本当にないと思う」と述べた。

 「青色」の登場であらゆる色が作れるようになり、省電力・長寿命のLEDは照明や液晶などに用途が広がった。中村さんは「実現にはいろんな人が関係している。この分野に貢献した皆さんが喜んでいただける賞だ」と受賞の意義を強調した。

 共同受賞する赤崎勇名城大教授(85)と天野浩名古屋大教授(54)の印象を問われると、「天野先生は非常に真面目で人が良さそう。赤崎先生は強い意志を持った頑固な方」と答えた。

 ストックホルムには4日(同5日未明)に到着した。観光には興味のない中村さんだが、市内でトナカイの形をした電飾にLEDが使われていると知り、「非常にうれしく思った」という。

 6日はノーベル博物館を訪れ、中村さんが関わる会社が作ったLEDなどを寄贈。授賞式は10日午後(日本時間11日未明)に行われる。(ストックホルム時事)