若者も政治への関心高めよう
中学、高校生らが模擬選挙
若者の政治への関心を高めようと、各地の学校で新聞記事を使った授業や模擬選挙が行われている。未成年のため14日投開票の衆院選は投票できないが、生徒は「棄権して文句を言うのはおかしい。二十歳になったら絶対投票する」「政治への関心を高く持たないと」などと話した。
東京都板橋区の都立高島高校では、公示後の4日、現代社会の授業で、3年生の1クラス39人が各党党首の第一声を伝える記事のコピーなどを手に各党のキャッチフレーズを考えた。「もっとインパクトが必要だよ」「一言で言いたいことが分かるようにしないと」。6~7人ずつに分かれての議論は白熱。なかなかまとまらず、予定時間を過ぎても話し合いを続けるグループもあった。
担当した大畑方人教諭(37)によると、授業では本物の選挙公報を使う予定だったが、準備が間に合わず断念した。10日に全校生徒955人が「有権者」となる模擬投票では、区選挙管理委員会から借りた本物の投票箱を使用する。同校での模擬選は昨年に続き2回目で、模擬選をきっかけに大学で政治学を学ぶ卒業生もいるという。
キャッチフレーズを考えた3年生の伊藤なるみさん(18)は「難しい。投票まで、もう少し自分で調べたい」と真剣な表情。岩井和昌さん(18)は「もっと各党を比較したい」と語った。
中高一貫の私立芝浦工業大柏中学高等学校(千葉県柏市)は2003年から国政選挙などに合わせて模擬選を実施。自前の投票箱があり、今年も11、12両日に行う。杉浦正和教頭(63)は「10年前には政党の名前も答えられない生徒がいた。効果は感じている」と話す。
教諭らでつくる「模擬選挙推進ネットワーク」によると、昨年7月の参院選では、小学校から大学までの少なくとも34校が模擬選を行い、1万1230人が投票した。今回の衆院選期間中にも約40校が実施するという。同ネットワークの林大介代表(38)は「若い人の投票率が低いのは、大人にも責任がある。きちんと考え、投票できるように教えていくことが大事」と語った。