スエズ運河の一部複線化、工事が着々と
エジプト当局、「新運河」の掘掘削現場を日本の関係者に公開
エジプト当局は30日、地中海と紅海を結ぶスエズ運河の一部複線化に向けた「新運河」の掘削工事現場を日本の政府・企業関係者らに公開した。現場ではショベルカーが土砂を掘り起こし、周辺には巨大な土の山が出来上がっていた。スエズ運河庁によると、複線化部分は2015年夏の開通を目指す。
複線化されるのは、スエズ運河(全長約193キロ)の中程に位置する35キロの区間。より多くの船舶が運河を利用できるようにし、国庫収入の増加を図る。運河通航料はエジプトの主要な外貨獲得源で、当局は低迷する経済再建の突破口にできればと期待している。
運河沿いの都市イスマイリアではこの日、拡張工事に伴う地域開発の在り方について議論するスエズ運河庁主催のシンポジウムが開かれ、在エジプト日本大使館や国際協力機構(JICA)も開催に協力した。(イスマイリア〈エジプト〉時事)