銀河周囲「ハロー」部分の星、予想より多い
従来推定の10倍か、日米などが赤外線で観測
銀河を取り巻くように分布する星々は銀河本体に密集する星に比べると非常に少ないが、従来の推定より10倍程度多い可能性があることが分かった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)や東北大、米カリフォルニア工科大などの国際チームが望遠鏡を搭載したロケットを打ち上げ、遠近多数の銀河などから届く赤外線の分布を観測した成果で、7日付の米科学誌サイエンスに発表した。
JAXA宇宙科学研究所の松浦周二助教は「過去の銀河同士の衝突などで、銀河を取り巻く『ハロー』に大量の星々が放出されたが、これまで暗くて観測できなかったのではないか」と説明。一方で「古い時代の星々からの光の影響も考えられ、最終結論を出すには精度の高い観測が必要だ」と話している。
国際チームは米航空宇宙局(NASA)の小型ロケットに望遠鏡を搭載して高度約330キロまで打ち上げ、りゅう座やうしかい座の方向から届く赤外線を250秒間だけ観測してから回収するCIBER(サイバー)実験を2009年から4回行った。
このうち2回分の観測データを分析したところ、赤外線の強弱の分布を多数の銀河だけでは説明できず、銀河の周囲のハロー部分にある星々が従来の約10倍多い可能性が浮上した。