錦織圭が冷や汗の勝利、最後は相手がミス
マスターズ・パリ大会で8強入り、次勝てば最終戦進出
フルセットの末にツォンガを退けた錦織には反省の弁しかない。最終セット5-4からの第10ゲームは相手が第1サーブを全て外し、ダブルフォールト2本で自滅。「最後はほとんど助けられた感じ」。楽勝ペースから一転した薄氷を踏むような戦いだった。
攻めて圧倒した第1セットの勢いが続かなかった。ツォンガが息を吹き返した一因は錦織自身にもあった。「彼のフォアを恐れて、バックに集め過ぎて読まれた」。最近はやや不振とはいえ強打を誇る実力者に対し、一本調子では通じない。
最終セットも劣勢が続いた。数少ない好機だった4-3からの第8ゲームも40-0としながら、3度のブレークポイントを強力なサーブでつぶされた。サービスゲームでは危ない場面を何度も切り抜け、「我慢だった。うまくしのげたから最後にチャンスが回ってきた」と振り返った。
冷や汗をかきながら拾った1勝で、初のツアー最終戦進出に大きく近づいた。準々決勝でフェレールに勝てば、自力で切符を手にする。「彼は(球足が)遅いハードコートが好き。長いラリーになると思う」と厳しい一戦を覚悟した。(パリ時事)