阿部守一長野県知事「全力の活動に感謝」


御嶽山噴火、捜索隊が麓から撤収

阿部守一長野県知事「全力の活動に感謝」

御嶽山噴火の捜索救助活動への感謝式に参加する隊員ら=17日午前、長野県王滝村

 56人が死亡し、7人が行方不明となった長野、岐阜県境の御嶽山(3067メートル)の噴火で、捜索に当たった警察や消防、自衛隊は17日午前、拠点にしていた長野県王滝村から撤収した。阿部守一知事は捜索隊員を集めた感謝式で「家族の思いに寄り添い、全力で活動を展開していただき、心からお礼申し上げたい」とあいさつした。

 式には約220人が参加。松本洋平内閣府政務官も「危険と隣り合わせでの活動は国民にも、政府にも誇りだ」とねぎらい、車両で会場を後にする隊員を、阿部知事らとともに拍手で見送った。

 捜索打ち切りについて、関東管区機動隊長野中隊の浅岡真隊長(42)は「率直に言えば、隊員全員が残念に思っている。ご家族に申し訳ない」と話す一方、「標高3000メートルでの未経験の捜索だったが、大きな事故はなくしっかり活動できた」と振り返った。

 名古屋市消防局から派遣された杉田俊也特別消防隊長(54)は「結果としては残念で、晴れ晴れとした気分ではないが、活動を長く続けるのは無理だと思っていた」と心境を明かした。

 長野県によると、捜索活動には警視庁や東京、富山、山梨、静岡各都県の消防も人員を派遣。延べ約1万5000人が参加した。