快挙のノーベル物理学賞師弟、笑顔で握手
赤崎さん「不夜城」を紹介、「今も緊張」と天野さん
青色発光ダイオード(LED)の開発でノーベル物理学賞に決まった赤崎勇名城大教授(85)と天野浩名古屋大教授(54)は10日、名古屋大で2人そろって記者会見した。天野さんは出張先のフランスから同日朝に帰国。師弟は受賞決定後、初の対面を果たし、固い握手を交わした。恩師に会う前から緊張していたという天野さんは「今でも緊張している」と笑顔で話し、場を和ませた。
天野さんは学生のころ、研究室で赤崎さんに出会ったときの印象を「非常に穏やかで、優しそうな先生だった」と振り返った。博士課程に進むつもりはなかったが、赤崎さんに強く勧められ進学を決意したという。
赤崎さんは会見で、天野さんのいる研究室にいつも明かりがともっていたため「不夜城」と呼ばれたエピソードを紹介。「諦めない性格。彼はほとんど、正月も休んでいない」と天野さんを評価した。
7日夜の受賞発表から取材攻勢が続く2人。一番したいことを尋ねられると、赤崎さんは「寝たい」と答え、天野さんも「帰って寝たい」。1時間以上に及んだ会見では、報道陣の質問を天野さんが隣の赤崎さんに伝えるなど、恩師を気遣う場面も見られた。
赤崎さんと同時に受賞することについて、天野さんは「望外の喜び。日本ではエネルギー関係が問題になっているが、(LEDは)解決に役立っている。赤崎先生はそのきっかけをつくられた。(受賞者に)なぜ私が入ったのか分からない」と謙遜した。
2人の出会いがなければ青色LEDの開発が遅れていたかとの質問に、赤崎さんは「そうだと思う」と力強く答え、二人三脚でつかんだノーベル賞の重みをかみしめていた。