聖火台「ご苦労さん」
国立競技場から宮城・石巻へ
1964年東京五輪の開会式から50年となった10日、聖火がともされた国立競技場(東京都新宿区)の聖火台が建て替えのため、取り外された。
58年に鋳物師の鈴木萬之助さんと息子の文吾さん(ともに故人)が制作した聖火台は高さ2・1メートル、重さ2・6トン。サラシにくるまれてクレーンでつり上げられ、競技場の外に下ろされた。
聖火台は東日本大震災からの復興の象徴として、宮城県石巻市に貸与される。作業を見守った萬之助さんの息子の昭重さんは「競技場に収めた時とは別の感激がある。ご苦労さんでした」。2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の完成後、敷地内に展示されることになっている。