ノーベル賞の赤崎勇さん「好奇心大いに育てて」


かつての座右の銘は「吾が道、一を以て之を貫く」

ノーベル賞の赤崎勇さん「好奇心大いに育てて」

インタビューに答える名城大の赤崎勇教授=8日午後、名古屋市天白区の同大

 青色発光ダイオード(LED)の開発で、ノーベル物理学賞の受賞が決まった名城大の赤崎勇教授(85)が8日、インタビューに応じた。未来を担う子供たちに向け、「大いに好奇心を育ててほしい」と語った。

 前夜は祝福の電話が鳴り続け、ようやくベッドに入ったのは午前2時半。1時間ほど寝付かれず、「朝6時にたたき起こされて、スリーピー(眠い)」と、にこやかに話した。

 子供たちへのメッセージを尋ねると、「やっぱり物事の発見は好奇心から。好奇心を大事にしてほしい」と力を込めた。

 自らも好奇心を自由に育んできた。東京の自宅には、自分の体がすっぽり収まるほど大きな、自作のコンポを置いている。LPレコードでクラシック音楽を聴くことが、研究の気分転換になる。「アナログなんですよ」と笑い、受賞の知らせを受けた昨晩も、遅くまで音楽に耳を傾けた。

 家庭では妻が頼りで、洗濯も炊事も「本当に何もできない」。東京に暮らす娘2人とは週3日ほど電話で話すが、受賞決定で慌ただしく、家族にはきちんと報告できていないという。

 かつて教え子に贈った座右の銘は「吾(わ)が道、一を以て之を貫く」。では最近は?「もうあまり難しいことを言わない。好きなことをやれ、ですね」