主役はロボット技術、介護・災害救助に応用へ
「シーテックジャパン2014」が幕張メッセで開幕
千葉市の幕張メッセで7日開幕した家電・IT見本市「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン)2014」では、ロボット技術が主役となった。開発メーカーは、従来の製造現場に加え、介護や福祉、災害救助といった幅広い分野での技術の応用を見込んでいる。
オムロンは、相手の打った球を打ち返す「卓球ロボット」を公開した。ラリーが続くように相手の立ち位置を見て打ちやすい球を返す。動く物体の振動を制御する技術が使われており、電車内の揺れ軽減や食品搬送ロボットに応用できるという。
村田製作所は、体長約36センチの人型ロボット10台が協調して玉乗りをする「チアリーディング部」を披露。超音波と赤外線で自分の位置を認識し、互いに適度な距離を保ちながら動く。この技術を発展させ、「災害時に要救護者を見つけ出し、その場所を知らせる救助ロボットに使える」(広報室)と期待を寄せる。
女性の姿をした東芝の手話ロボットは、腕や指先が細かく動き、会話の内容によって表情を変える。今後は相手の話す内容を認識して手話で返せるようにし、福祉や介護での活用を見込む。
日立製作所やソニーが出展せず、これまでシーテックの主役だった家電メーカーの存在感は低下している。展示内容も以前はテレビなどの家電が中心だったが、近年はITとの融合を進める自動車やロボット技術が目立つ。「完成品の展示から部品や技術を見せる場に変わりつつある」(シーテック主催者)ようだ。