エース上野が快投、次世代につなぐ4連覇


アジア大会ソフトボール決勝、台湾を6-0で破り世界一

エース上野が快投、次世代につなぐ4連覇

ソフトボール決勝で台湾を破り、喜ぶ上野(右から2人目)ら日本ナイン=2日、韓国・仁川(時事)

 世界一のエースにふさわしい抜群の安定感だった。上野が決勝で台湾を寄せ付けない快投で、日本を4連覇に導いた。

 立ち上がりに一塁線を破られ、走者を出したが、その後はピシャリ。わずか9球で片付けた。台湾とは今大会3度目の対戦。「相手も慣れている。制球ミスをしないよう丁寧に」。緩急をうまく使い、台湾を六回まで2安打、7奪三振に封じて、相手の戦意をそいだ。

 20歳で出場した2002年釜山大会から12年。今大会には「次の世代にいい形でつなげたい」という思いを持って臨んでいる。最終回は23歳の藤田にマウンドを託した。金メダルの瞬間をベンチで見守り、「若い選手がいい経験をできたのでよかった」。ゲームセットとともにマウンドに駆け寄り、ナインとともに宇津木監督を連覇の回数の4度、胴上げした。

 8月の世界選手権で連覇を果たした。宇津木監督はアジアの王座も守り、「重圧があったが、上野も若い選手たちもよくやってくれた」。期待に応えたチームの成長に目を細めた。

 表彰式の後には台湾、3位の中国とともに横断幕を掲げ、20年東京五輪での競技実施を訴え、「ソフトボールの楽しさを伝えるために、ただ頑張りたい」と上野。左膝の痛みを抱えながら闘い抜いた右腕。金メダルを胸に、すがすがしい表情を浮かべた。(時事)