デジタル地球儀「触れる地球」で防災啓発


UNISDR、仙台で開かれる国連防災世界会議でアピール

デジタル地球儀「触れる地球」で防災啓発

デジタル地球儀「触れる地球」と、開発した京都造形芸術大の竹村真一教授(左)=19日、ジュネーブ国際空港(時事)

 国連国際防災戦略(UNISDR)は19日、台風や汚染された大気の動きなどを表示するデジタル地球儀「触れる地球」をジュネーブ国際空港に展示すると発表した。2015年3月に仙台市で開かれる第3回国連防災世界会議に向け、旅行者に防災意識の重要性を訴える。

 「触れる地球」は京都造形芸術大の竹村真一教授が開発。直径約1メートルで、世界の雲の動きをほぼリアルタイムで示すほか、東日本大震災で起きた津波の発生過程、洪水や津波のリスクを抱える世界の都市なども映し出す。

 ワルストロム国連事務総長特別代表(防災担当)は記者会見で「自然災害による経済的損失が年間3000億ドル(約32兆6000億円)に達しつつある」と指摘。「複雑な災害への理解度を高めることが(展示の)狙いだ」と語った。

 竹村教授は「目に見える形で防災意識の啓発に協力してほしいとの要請を国連から受けた」と説明。防災や環境保護には「地球規模の考え方が必要だ」と話した。

 地球儀は、ジュネーブ国際空港の出発ロビーに来年2月中旬まで約5カ月間展示され、旅行客が操作できる。3月の防災世界会議会場にも設置される予定だ。(ジュネーブ時事)