自動運転車、世界で開発に加速
トヨタ・GM、数年で実用化へ
自動運転車の開発が世界的に加速している。交差点がなく、歩行者のいない高速道路での自動運転については、トヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)などが数年以内の実用化を表明。将来的に巨大市場が生まれるとの期待から、業種をまたいだ人材争奪戦が激化しているほか、自動運転技術をめぐって再編の動きも出ている。
ドライバーによる操縦が不要な自動運転車は、センサーで障害物を検知して自動でブレーキをかける機能など、既存の安全技術の延長線上にある。自動車大手は1990年代から本格的な研究に取り組んできたが、米IT大手グーグルが2010年に開発計画を発表したことで競争に火が付いた。トヨタはこのほど時速110キロで自動運転が可能な試作車を米国で公開。実用化が目前であることを示した。
米調査会社IHSは、35年までに自動運転車が世界の新車販売の9%を占めると予想。グーグルの参入などで現在の勢力図が変わる可能性があるため、自動車業界はIT分野などの技術者を増やし、主導権を握ろうと躍起だ。
米IBMと組んで自動運転技術の開発を進める独部品大手コンチネンタルは今年8月、グーグルから幹部を引き抜いた。トヨタも「IT企業との提携を検討中」(開発責任者)と明言。変速機などが主力の独部品大手ZFフリードリヒスハーフェンは、米同業TRWオートモーティブに買収提案を行った。ブレーキ機器などに強いTRWを取り込み、自動運転につながる安全技術の強化を図る意向とみられる。(ニューヨーク時事)