JR可部線の可部-緑井間で運転を再開


広島土砂災害、住民生活の足12日ぶり復旧

JR可部線の可部-緑井間で運転を再開

土砂災害の被害から復旧し、可部-緑井間で運転を再開したJR可部線=1日午前、広島市安佐南区八木の梅林駅

 広島市北部の土砂災害で、線路への土砂流入により運転を見合わせていたJR可部線の可部-緑井間の運転が1日、再開した。住民の生活の足が12日ぶりに復旧した。

 JR西日本広島支社によると、可部-緑井間には被害の甚大だった安佐南区の八木、緑井両地区があり、線路内への土砂流入と冠水で、災害が発生した8月20日の始発から運転を見合わせていた。

 31日までに水路の整備や土砂を取り除く作業が終わり、試運転を実施。線路の状況や踏切の動作を確認したが異常はなかった。

 通勤で毎日利用する安佐南区八木の会社員、田崎篤さん(32)は「便利さが戻った。復旧してうれしい」とほっとした様子。運休の間は代行バスで通勤していたが、混雑して乗れないことも多かったという。可部駅で下車する高校1年の女子生徒(15)は「学校へ行くのが楽になる。もう少しかかると思っていたので、早く再開して良かった」と笑顔で話した。

 可部線の運休により、通勤・通学客など延べ約14万人に影響が出ていた。

 市は8月31日、安佐北区の全域と安佐南区の一部について避難勧告を解除したが、同区の八木、緑井、梅林の3地区で、約2万9000人に対する避難指示・勧告が継続されている。