パリのOECD本部で東北の桜を植樹する式典


復興願い被災地の中高生100人が参加

パリのOECD本部で東北の桜を植樹する式典

2日、パリの経済協力開発機構(OECD)本部で開かれた東北の桜の植樹式で、苗木を土に埋める福島県立磐城高校2年生の松本莉奈さん(時事)

 東日本大震災の被害に遭った岩手、宮城、福島の3県を中心とする中高生ら約100人が2日、パリの経済協力開発機構(OECD)本部中庭に東北の桜を植樹する式典を行った。OECDのグリア事務総長や加盟各国の関係者も出席し、被災地の復興を祈念した。

 東京電力福島第1原発に近く第2原発もある福島県楢葉町の自宅を逃れ同県いわき市で避難生活を続ける県立磐城高校2年生の松本莉奈さん(17)は式典で「冬を耐えて毎年春に花を咲かせる桜を見ると、心が希望で満たされる。ぜひ東北の美しい桜を見に来てほしい」と英語であいさつした。

 植樹された苗木は、山形県内の木から接ぎ木した高さ約1・75メートルの「オオヤマザクラ」。当初は宮城、福島両県の桜を植える予定だったが、フランス国内での生育がうまくいかなかったため今回は見送った。

 植樹式は、OECDや福島大学などが震災復興を担う人材育成のために実施している教育事業「OECD東北スクール」の一環。グリア事務総長は「震災復興の答えは教科書に書かれていないが、答えを探る方法を学んだことが大きな成果だ」と述べた。(パリ時事)