九工大が深宇宙通信実験機「しんえん2」を公開


「はやぶさ2」と一緒に打ち上げられる、深宇宙から通信挑む

九工大が深宇宙通信実験機「しんえん2」を公開

報道陣に公開された深宇宙通信実験機「しんえん2」=1日、北九州市

 九州工業大学(北九州市)は1日、鹿児島大などと共同で開発した深宇宙通信実験機「しんえん2」を報道陣に公開した。小惑星探査機「はやぶさ2」と一緒に今冬、H2Aロケットで打ち上げられる見通し。

 しんえん2は直径約50センチの12面体の人工衛星。太陽を周回しながら、地球と月の間(約38万キロ)くらい離れた所や、月より遠い「深宇宙」から、アマチュア無線を使って九工大や東北大、欧米などの地上局と交信する世界初の実験に挑戦する。

 重さ約17キロと軽量で、構造材には軽く丈夫な「炭素繊維強化熱可塑性プラスチック」を使用。この素材が人工衛星に適していることも証明したい考え。

 開発した奥山圭一教授(宇宙工学)は「地球と月の距離で通信を成功させ、民間レベルで月の開発が活発になるきっかけにしたい」と語った。