クレジットカード各社、寄付送金サービス強化


利用者の郷土愛にアピール、「ふるさと納税」をしやすく

クレジットカード各社、寄付送金サービス強化

クレジットカード各社が取り扱う寄付機能付きカード。(左上から時計回りに)「VIASOカード(くまモンデザイン)」(三菱UFJニコス)、「はこだてカード」(ジャックス)、「京都大学カード」(三井住友カード)、「スパリゾートハワイアンズカード」(オリエントコーポレーション)

 クレジットカード各社が、自分の故郷などに寄付すると税金が控除される「ふるさと納税」のインターネット送金をしやすくするなど寄付関連サービスを強化している。国内のカード発行枚数が3億枚を超え、既に飽和状態と言われる中、各社は郷土愛などに訴えることで、新規顧客の獲得につなげようと懸命だ。

 ふるさと納税の納付方法は現在、現金書留での送付や銀行振り込みが一般的。2013年の総務省調査によると、ネットでカード支払いができるのは市区町村でわずか6%にとどまっている。このため、三菱UFJニコスや三井住友カードなどが市区町村でのネット納付の拡充に乗り出した。

 三菱UFJニコスは利用額の0・2%を自動的に熊本県のふるさと納税に寄付するカードを発行。ジャックスは北海道函館市に利用額の0・1%、オリエントコーポレーションは東日本大震災の復興支援として利用額の一部を寄付するカードを手掛ける。

 愛校心をくすぐる戦略もある。三井住友カードの寄付機能付き「京都大学カード」には学校のシンボル的建物を印刷。三菱UFJニコスは、東京理科大学や京都市立芸術大学などにネット経由で寄付できるサービスを行っている。