松井1000球投げ抜く、軟式の鉄腕「疲れはない」
高校軟式野球、中京が延長五十回で準決勝制す
準決勝で50回、決勝では5回3分の2。27日の準々決勝からは5日連続の登板だった。三浦学苑の佐久間から空振り三振を奪い優勝決定。中京の松井は誇らしく、右腕を天に向かって突き上げた。
午前に行われた4日目の準決勝で709球を費やし、決勝では救援。大会4試合で1000球以上を投じた。「日本一を勝ち取って疲れはない」。軟式の「鉄腕」にふさわしい言葉だった。
決勝は0-0の四回1死二、三塁のピンチで出番となった。「松井を少しでも楽にしたい一心だった」。飛び出した三塁走者を西山捕手が刺して2死二塁。松井はすかさず打者を投ゴロに仕留める。準決勝で再三ピンチを切り抜け、肝が据わっていた。八、九回は小気味よく3者三振。「残っている体力を全部使って、気持ちで抑えた」。圧巻のマウンドだった。
中京は2012年に連覇を果たした強豪。昨年は選手権出場を逃したため、「全力奪取」をテーマに乗り込んできた。松井だけではない。厳しい練習に耐えてきたナインに、「子供たちのパワーがどこから来ているのかと驚かされる」と平中監督。注目を集めた大熱戦を制し、だれもが栄冠に感激しきりだった。