国中均教授「新たな航海を目指したい」


宇宙機構、「はやぶさ2」の機体を公開

国中均教授「新たな航海を目指したい」

宇宙航空研究開発機構が公開した今年冬に打ち上げ予定の小惑星探査機「はやぶさ2」。数々のトラブルを乗り越えて小惑星「イトカワ」から微粒子を持ち帰った探査機「はやぶさ」の後継機=31日午後、相模原市の宇宙航空研究開発機構相模原キャンパス

 宇宙航空研究開発機構は31日、今年冬に打ち上げ予定の小惑星探査機「はやぶさ2」の機体を公開した。プロジェクトマネジャーの国中均・宇宙機構教授は「ようやく完成の域に達し、ありがたく思う。気を引き締めて新たな航海を目指したい。自信作なので、ぜひつぶさに見てほしい」と話した。

 はやぶさ2は、数々のトラブルを乗り越えて小惑星「イトカワ」から微粒子を持ち帰った探査機「はやぶさ」の後継機。目的地の小惑星「1999JU3」はイトカワと異なり、炭素や水を含む小惑星で、成果は生命の起源や太陽系形成のなぞを解くかぎになると期待されている。

 公開されたはやぶさ2には、太陽電池パネルや地球との通信を担うアンテナ、小惑星から持ち帰るサンプルを入れるカプセルなどが既に取り付けられ、ほぼ完成形。今後、打ち上げ場がある鹿児島県・種子島宇宙センターに輸送される。

 初代はやぶさでも、推進装置の開発責任者としてさまざまなトラブルに対処した国中教授は「スムーズにいく方がいいに決まっているが、製作段階でもさまざまな困難はあった。決して宇宙は甘いものではないと思う」と述べた。