東京都と杉並区が首都直下地震想定で防災訓練


老朽化した木造住宅密集地域に重点、防災力の強化を図る

東京都と杉並区が首都直下地震想定で防災訓練

東京都と杉並区の合同防災訓練で、救命措置の訓練をする参加者ら=30日午前、東京都杉並区

 防災週間初日の30日、東京都は杉並区と合同で、震度6強の首都直下地震が発生したという想定の防災訓練を実施した。老朽化した木造住宅が密集する地域に重点を置き、防災力強化を図る。

 訓練には住民に加え、東京消防庁や警視庁、陸海空の自衛隊、在日米軍、ソウル市や台北市といった海外都市の消防隊など計約1万人が参加。杉並区の松ノ木運動場では、子供たちでつくる消防少年団や地元住民らが、住民同士の助け合いによる初期消火や救助、応急救護などの訓練を行った。町会長を務める同区の志達和雄さん(73)は毎年訓練に参加しているといい、「木造密集地域がたくさんあるので、火災が発生すると被害が大きい。初期消火は難しいが、やらないといけない」と話していた。

 杉並区の都立和田堀公園では、木造密集地域での火災や建物の倒壊を想定。道路上の石や木材を重機で除去、通行の妨げになっている放置車両を移動し、消防や自衛隊、災害派遣医療チーム(DMAT)などの部隊を現場に投入、救助活動に当たる訓練をした。

 舛添要一都知事は訓練について「(ソウル市など)アジアの友人たちのネットワークで、互いの助け合いということが一歩前に進んだ」と意義を述べた。