広島の土砂災害避難所に「ファイト!新聞」


地元の小中学生、避難者を取材して製作

広島の土砂災害避難所に「ファイト!新聞」

避難者を取材して「ファイト!梅林しんぶん」を製作した市立城山北中学1年の宮本博代さん(左)と市立梅林小学5年の道上ゆなさん=25日、広島市安佐南区

 広島市の土砂災害で、最多の500人以上が避難する安佐南区八木の市立梅林小学校には、小中学生の2人が避難者に取材し製作した「ファイト!梅林しんぶん」が掲示されている。最新号では、ペットや生活物資に関する情報提供を呼び掛けた。2人は「避難している人たちが明るくなるようなニュースを取り上げたい」と笑顔を見せる。

 同小に避難する市立城山北中学1年の宮本博代さん(12)は、徹夜で作業する避難所のスタッフを見て「私にも何かできることはないか」と考えた。東日本大震災の際、宮城県気仙沼市の避難所で作られた「ファイト新聞」を思い出し、同じアパートに住む絵の得意な同小5年の道上ゆなさん(11)を誘って、夢中で書き上げた。

 24日に発行した創刊号の見出しは「スリッパをそろえよう!!」。避難所にいる大人が「トイレでのスリッパの脱ぎ方が悪い」と梅林小の原紺政雄教頭に苦情を言うのを見て、2人で現状を取材。避難所に来たボランティアの男性マッサージ師にも話を聞き、似顔絵入りで紹介した。

 第2号は26日に出来上がり、行方不明になったペットがいないかや、足りずに困っている生活物資の情報提供を呼び掛けた。階段の踊り場など約15カ所に掲示され、評判は上々。避難者から「ありがとう」と感謝の言葉を掛けられたという。