ファストフード、「飲み屋を始めました」
軽くお酒「ちょい飲み」客を、夜の集客狙う
知名度のあるファストフード店が、夜は「飲み屋」に様変わり。そんな試みが広がってきた。ファストフード店は全般に、夜の客足が日中より落ちる。そこでアルコールやおつまみを充実させ、軽くお酒を楽しむ「ちょい飲み」客を取り込むのが狙いだ。
日本ケンタッキー・フライド・チキンが3月、東京・大手町にオープンした店舗では、夜は各国のビールを楽しむことができる。肉を低温の油で煮込んだ料理「コンフィ」やパスタも提供する「大人のケンタッキー」として、サラリーマンやOLの支持を集めている。
讃岐うどんチェーンの「はなまる」も負けていない。普段から販売する天ぷらやおでんが「お酒と相性が良い」とにらみ、東京や大阪、名古屋、静岡など主要都市の20店舗程度で6月以降、生ビールや酎ハイの販売を始めた。
「はなまる」の親会社である吉野家ホールディングスは、牛丼店の「吉野家」でも居酒屋営業に乗り出している。ともに現在は昼の売り上げが多いが、「居酒屋としての利用者が増えれば、夜でも稼げる店になる」(はなまる)として、駅前などを中心に対象店舗を増やしていく方針だ。
このほか、スターバックスコーヒージャパンは昨年、好きな豆などを選べる「こだわりコーヒー」とアルコールが飲める新たな店を始めた。現在は東京都内の住宅地に3店舗のみだが、「近隣のお客さまにゆったりとくつろいでもらっている」(広報部)と、こちらも好評だ。