かち上げ封じたが…、日馬富士が痛恨の２敗目
大砂嵐が今度は日馬から金星、荒れる名古屋、大嵐の予感も
大砂嵐（奥）は日馬富士（中央）を引き落としで破り、２日連続の金星を挙げる＝１８日、愛知県体育館
よほど日馬富士は悔しかったのだろう。土俵に落ちた横綱を起こそうとして大砂嵐が差し伸べた手を、いらだたしそうに振り払った。長風呂から戻った支度部屋では報道陣を見回し、「何が聞きたいの？ 何を言ってほしいの？ 普通に当たって足が出なくて落ちただけ」と吐き捨てるように言った。
猛威を振るう大砂嵐のかち上げへの対抗意識がありありと見えた。低く鋭い立ち合い。かち上げを食う前に体を密着する狙いだったのだろう。思い通りに右を差して一気に出た。しかし、ここから暗転。相手が土俵際で体を開くと、的を失ってばったりと落ちた。
早くも今場所二つ目の金星献上。「正直、がっかり」。古傷の足首の状態もいいだけに、思わず本音がこぼれた。
土俵下で見守った師匠の伊勢ケ浜審判長（元横綱旭富士）は渋い顔。「まわしも取らず、形だけでは駄目。前みつを取って頭を付ければよかったのに」。前日、初金星を挙げた大砂嵐の存在感の前に、冷静さを一瞬失ったような一番。日馬富士は「これからが大事です」と言ったが、優勝争いから大きく後退した。
