台湾・台北市の寺院宿舎が喫茶店に


日本時代の建築物を再生利用

台湾・台北市の寺院宿舎が喫茶店に

日本統治時代の寺院宿舎を改修し、オープンした喫茶店「輪番所」=6月13日、台北市(時事)

 台湾・台北市が日本統治時代の建築物を再生利用するプロジェクトを進めている。築100年前後の旧寺院宿舎や倉庫を現代風に改修し、飲食店などの開業を目指す若者らに相場より安い賃料で貸し出している。

 若者でにぎわう繁華街・西門町近くに喫茶店「輪番所」が6日オープンした。若者層を狙った台湾茶の専門店だ。店舗は瓦ぶき平屋建ての純日本風で、テーブルのほか畳の席もある。共同経営者の林映均さん(31)は「私たちが提供する伝統と現代が融合したお茶のイメージにぴったり」とレトロな味わいの造りに満足している。

 台北市は、戦後廃虚となっていた日本時代の本願寺台湾別院を修復・整備し、2013年6月に「西本願寺公園」として市民に開放した。公園内にできた「輪番所」は1924年建築の僧侶の宿舎だった。市は林さんらが内部を修復した代わりに、周辺相場より安い月額約8万台湾㌦(約27万円)で貸し出している。林さんは「この辺りでは破格の家賃だ」と笑顔で話す。(台北時事)