メラメド名誉会長、杉原千畝氏の偉業を後世に


米先物取引所の幹部、「命のビザ」で九死に一生

メラメド名誉会長、杉原千畝氏の偉業を後世に

日本外国特派員協会で講演する米先物取引所大手CMEグループのレオ・メラメド名誉会長=1日午後、東京都内

 第2次世界大戦中に故杉原千畝氏が発給した「命のビザ」で、九死に一生を得た米先物取引所大手CMEグループのレオ・メラメド名誉会長(82)がこのほど来日し、「一人の人間は大きな影響を及ぼせる」と、杉原氏の偉業を後世に伝えようと懸命になっている。

 リトアニア駐在の領事代理だった杉原氏は、ナチス・ドイツの迫害を受け、逃げ場を失ったユダヤ人に対し、独断で日本通過ビザを発給。約6000人の命を救ったとされる。

 命のビザを受けたメラメド氏は、両親とともにシベリア鉄道経由で、福井県の敦賀に船でたどり着いた。その後移住した米国で、金融先物の導入など革新的なアイデアを用い、CMEを世界最大級の先物取引所に育て上げた。

 同氏は1日に東京都内で記者会見し、「日本人の中に(杉原氏のような)人物がいたと、理解することは日本にとって素晴らしい瞬間だ」と強調。6月30日は杉原氏の母校早稲田大を訪問したほか、3日には命のビザで逃げてきたユダヤ人を、温かく受け入れたとの記録が残る敦賀市を訪れ、河瀬一治市長らとともにイベントで人道主義の大切さを訴える。