マレーシアの格安エアアジア、日本へ再参入


15年夏に就航へ、将来は国際線も、楽天が18%を出資

マレーシアの格安エアアジア、日本へ再参入

格安航空会社エアアジア・ジャパンの記者会見で、写真撮影に応じるエアアジアのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(右から4人目)、楽天の三木谷浩史会長兼社長(同3人目)=1日、東京都港区

 マレーシアの格安航空会社(LCC)のエアアジアは1日、日本で国内線に再参入すると発表した。2015年夏の就航を目指す。新たに設立したエアアジア・ジャパンにはエアアジアが33%、旅行サイトを運営する楽天が18%出資する。拠点空港は中部国際空港を中心に検討し、運航路線と併せ7月中に決定する方針だ。

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は記者会見で「訪日観光客を増やし、国内旅行を大幅に成長させるため、LCCは欠かせない」と強調した。

 新会社にはほかに、化粧品会社のノエビアホールディングスが13%、スポーツ用品販売のアルペンが7%出資する。日本の航空法は国内航空会社に関し、外資の議決権比率を3分の1未満に制限している。

 新会社はまず国内線を運航し、将来は国際線も展開する方針だ。航空機は、LCCで一般的なエアバスA320型機を採用。開業当初は2機で、15年中に4機に増やし、以後は年5機のペースで増強したい考えだ。

 20年の東京五輪・パラリンピックに向け、国土交通省が発着枠拡大を検討中の羽田空港への乗り入れも目指す。

 エアアジアは12年8月、全日本空輸(現ANAホールディングス)との共同出資で日本のLCC事業に参入したが経営不振に陥り、ANAとの提携を13年6月に解消し、いったん撤退した。エアアジアのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は、「同じ考えを持つ人と組むべきだと学んだ」と述べ、楽天など新たなパートナーへの期待感を示した。