ヒラリー氏、大統領選へ「キックオフ」


長官在任時の回想録「困難な選択」を出版

ヒラリー氏、大統領選へ「キックオフ」

次期米大統領選に向け動向が注目されているクリントン前国務長官=4月17日、ニューヨーク(EPA=時事)

 2016年米大統領選の民主党の最有力候補と目されるヒラリー・クリントン前国務長官(66)は10日、長官在任時の回想録「困難な選択」を出版した。新著を宣伝する全米ツアーも同時にスタート。ヒラリー氏は出馬するかどうか明言していないが、大統領選に向けた事実上の「キックオフ」(米メディア)と言えそうだ。

 弱腰と批判されるオバマ大統領の外交路線と一線を画そうとする記述が回想録では目立つ。13年2月に長官を退任する際、大統領に「ロシアとの困難な日々が訪れる」と忠告。しかし「ホワイトハウスの誰もが同意したわけではなかった」と大統領サイドの見通しの甘さを示唆した。

 ヒラリー氏は中国の盲目の人権活動家、陳光誠氏が米国行きを求めた際の対応にも触れ「大統領側近は米中関係が壊れると心配していた」と批判的に説明。「アラブの春」の際も自身はエジプトのムバラク政権が倒れれば「険しい時代が続く」と警告し、オバマ政権が反政府勢力に過度に肩入れすることに異議を唱えたと主張している。

 大統領選に関しては「私は出馬するか」と自問。「まだ決めていないというのが答えだ」と述べつつも、最後は「新たな困難な選択の時はすぐにやってくる」と意味深長な言葉で回想録を結んでいる。

 ヒラリー氏は10日、ニューヨークでのサイン会を手始めに全米ツアーを開始。メディアへの露出も増やしており、出版前夜の9日に放送されたABCテレビのインタビューでは「(12年末の)脳振とうは深刻だったが、後遺症は全くない」と語り、一部にある健康不安説を打ち消してみせた。(ワシントン時事)