新種翼竜化石と卵も5個、群れで発見
世界遺産の中国・天山山脈付近で、子育て解明期待
中国新疆ウイグル自治区の約1億2000万年前(白亜紀初期)の地層から雌雄の翼竜の化石が40匹以上見つかり、新属新種に分類したと、同国の古脊椎動物古人類研究所などの研究チームが5日付の米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。卵も5個、立体的な形を保ったまま発見され、貴重だという。
翼竜は恐竜とともに繁栄した空を飛ぶ爬虫(はちゅう)類。発見場所は昨年、世界自然遺産に登録された天山山脈の近くで、白亜紀初期は湖か川があり、翼竜の群れが嵐に巻き込まれて死んだため、1カ所に多数の化石が残ったと考えられる。今後は群れがどのように巣を営み、子育てしたかの解明が期待される。
この新種は天山山脈の地名などから学名が「ハミプテルス・ティアンシャネンシス」と名付けられた。膜状の翼を広げた幅が1・5~3・5メートルと推定される。頭部は細長く、とさかのような薄い板状の飾りがあり、雄はこの飾りが雌より大きい。
卵は楕円(だえん)形で、大きい物は直径最大約6センチ、重さ約50グラム。殻の内側に厚い膜があり、現代の一部のヘビの卵に似ている。翼竜の母は卵を産んだ後に乾燥しないよう、湖などの岸の砂場に埋めたとみられる。