日本は攻め切れず、「仮想ギリシャ」零封は収穫
W杯壮行試合でキプロスを下す、内田のゴールで1-0
世界ランク130位の相手に1-0の勝利では、物足りなさは残ったはず。それでも、埼玉スタジアムを全て青に染めた超満員の観客は拍手を惜しまず、日本代表をW杯に送り出した。
25日までの鹿児島合宿では体力強化に重点を置いた。疲労が残っていたためか、前半は運動量が少な過ぎた。選手間の距離が遠く、本田らはたびたび孤立。球際で競り負けてボールを奪われ、速攻を受ける場面もあった。
先制は前半終盤の43分、ゴール前の混戦から内田が押し込んだ。後半は、序盤に左サイドを抜け出した柿谷が惜しいシュートを放ったのをはじめ、香川や途中出場の大久保がミドルシュート。見せ場はつくったが、一方的に攻めながら追加点は奪えなかった。ザッケローニ監督は「この試合はW杯のスピードを求めても仕方ない。想定内」と認めた。
指揮官のキプロスの分析は「しっかり守って走力で飛び出す」。W杯1次リーグ第2戦のギリシャを想定した一戦で、堅守速攻に冷静に対応して代表戦7試合ぶりの無失点に抑えたのは収穫。「ロングボールで裏を狙った相手に、頭の切れがなければきょうのような対応はできなかった」とザッケローニ監督は満足げ。けがで実戦から長く離れていた長谷部や吉田、内田にめどが立ったのも明るい材料になった。
監督が「テストの場」と位置付けていた壮行試合で、一定の成果は得た。29日からの米国合宿で、さらにW杯への臨戦態勢を固める。