2万円の油彩画、ダリ作品と科学的分析で判明


7の時に初めて描いた超現実主義作品

2万円の油彩画、ダリ作品と科学的分析で判明

22日、マドリードで公開されたサルバドール・ダリの複製画(EPA=時事)

 スペインの骨董(こっとう)店で20年以上前に2万円相当で購入された油彩画が、シュールレアリスム(超現実主義)の巨匠サルバドール・ダリが17歳の時に初めて描いた作品であることが科学的な分析で判明した。

 購入した画家は1988年、スペイン北東部ジローナの骨董店でこの絵を見つけ、色使いからダリの作品ではないかと考え、当時2万5000?(約2万円)を支払った。

 作品にはダリのサインが入っていたが、ダリが生まれる8年前の1896年という年も記されていたため、無名の画家の作品との評価が一般的だった。ところが、X線や赤外線写真などによる分析の結果、鉛筆による下書きが浮かび上がり、専門家は1921年前後に描かれたダリの最初のシュールレアリスム作品と判断した。

 この画家は1896年という数字について、とっぴな言動で知られたダリが意図的に書き入れたと推測。「ダリは何年も人々をだませたと墓の中で笑っているに違いない」と話した。

 画家は今月、この作品を匿名の収集家に売却した。価格は明らかにしていない。(マドリードAFP=時事)