遠藤が成長刻む初金星、胸借りた鶴竜へ恩返し
「体の反応に任せて無我夢中」、大相撲夏場所4日目で
ざんばら髪からちょんまげ姿へ。伸びたのは髪の毛だけではなかった。遠藤が初土俵から8場所目で金星獲得。春場所前には、出稽古で何度も胸を借りた鶴竜を正攻法で破り、「こんなに早く取れるとは。先場所より成長したところを少しでも感じてもらえたらうれしい」。
春場所は初日に綱とりの鶴竜に挑戦。相手に引かせて追い込んだが、土俵際でのはたき込みに逆転負けしていた。苦い経験を恐れず、2度目の対戦も果敢な攻め。この姿勢が生きた。
頭で当たり、突っ張って前進。下から攻めて2本差すと、鶴竜に反撃への猶予を与えない。「こんなチャンス、いつくるか分からない。体の反応に任せて無我夢中だった」。右から小手に振って防戦する横綱に、左の差し手を突き付けるようにして寄り倒し。土俵下で行司の軍配を確認した時には、館内に座布団が舞っていた。
鶴竜に恩返しを果たし、「(金星は)夢というか、目標を達成できた。今後どうするかは自分次第。これで満足せずに。まだ場所がある」。これで3勝目。上位陣にはね返され、6勝に終わった春場所を糧に前進をやめない。