神戸物産、エジプトの大規模農場で小麦を収穫


日本の民間企業が本格的な穀物生産、アフリカ大陸へ初進出

神戸物産、エジプトの大規模農場で小麦を収穫

神戸物産の農場での小麦収穫作業=29日、エジプト南部ケナ(時事)

 エジプト南部ケナ近郊にある神戸物産(兵庫県稲美町)が造成を進めてきた大規模農場(総面積3000ヘクタール)で4月中旬、小麦の収穫が始まった。日本の民間企業が、アフリカ大陸で本格的な穀物生産に乗り出した初の事例とみられ、今後の事業展開が注目される。

 同社は将来、作物の加工品を日本向けに輸出し、国内で展開する業務スーパーで販売する方針。今後、さまざまな穀物や野菜、ハーブ類を栽培し、日本市場で有望な商品の検討、開発を進める計画だ。

 同社は当初、農産加工品の製造を中国に集中させていた。しかし、「人件費上昇に備える一方、品質の安定を確保する」(担当者)ため、生産地の多角化を進めてきた。ナイル川沿いのケナ一帯は地下水が豊富で農場開発に適しているほか、人口も多く労働力を確保できると判断した。(ケナ〈エジプト〉時事)