「空飛ぶ法王」故ヨハネ・パウロ2世「聖人」に


「第2バチカン公会議」のヨハネ23世も、列聖式で80万人が祝福

「空飛ぶ法王」故ヨハネ・パウロ2世「聖人」に

エリツィン・ロシア大統領とローマ法王ヨハネ・パウロ2世(右)=1998年2月、バチカン(AFP=時事)

 世界各地を精力的に外遊し「空飛ぶ法王」と親しまれた故ヨハネ・パウロ2世(在位1978~2005年)ら、20世紀に即位したローマ法王2人が27日、「聖人」に正式に認定された。バチカン市や周辺には世界各地から約80万人の信者が詰め掛け、列聖式を祝った。

 カトリックの頂点に立つ法王2人が同時に聖人認定されるのは初めて。フランシスコ現法王(77)はサンピエトロ大聖堂で「2人は(激動の)20世紀で悲劇に直面したが、屈することはなかった」と功績をたたえた。式典には昨年退位した前法王ベネディクト16世(87)も参列した。

 ヨハネ・パウロ2世と共に聖人に認定されたのはヨハネ23世(在位58~63年)。カトリック教会の近代化を決めた「第2バチカン公会議」を催した実績で知られる。

 尊者、福者を経て認定される聖人は、カトリックで最高位の崇敬対象。認定には原則として、二つの「奇跡」を起こしたとバチカンが認めることが必要となる。(ジュネーブ時事)