ナチスに抵抗、ユダヤ人の移送を阻止


在日ブルガリア大使館が歴史展

ナチスに抵抗、ユダヤ人の移送を阻止

第2次大戦中、ユダヤ人を救ったブルガリアの歴史について語るバシレフ駐日ブルガリア大使(左)=11日、東京都渋谷区の渋谷区文化総合センター大和田

 ナチス・ドイツに抵抗しユダヤ人の移送を阻止したブルガリアの歴史を知ってもらおうと、在日ブルガリア大使館が11日から東京都内で展示会を開いている。24日までの予定で、やはり第2次世界大戦中、リトアニアで大勢のユダヤ人にビザを発給し命を救った日本人外交官、杉原千畝を記念した岐阜県八百津町の「杉原千畝記念館」も協力。22日には杉原千畝に関する講演会が企画されている。

 ブルガリアはナチス・ドイツと同じ枢軸国側で第2次大戦に参戦している。しかし、1943年にナチスから迫られたユダヤ人大量移送に市民らが反対。4万8000人を守り通したとされ、70周年の昨年、展示用説明文一式を作成、各国を回っている。

 会場の渋谷区文化総合センター大和田では初日の11日、バシレフ駐日ブルガリア大使が「ブルガリア人にもユダヤ人にも厳しい時代だった。当時の恐怖を伝えていきたい」とあいさつ。同席したカハノフ駐日イスラエル大使も「現在にも通じる重要な教訓を含んでいる」と応じた。メイルーナス駐日リトアニア大使は「あの時代にも勇気を忘れない人々がいた。次世代に伝える責任がわれわれにはある」と訴えた。(時事)