明治天皇の署名入りの教育勅語「原本」見つかる
2枚組1部、国立公文書館で公開される見通し
1890年に発布され、戦前の道徳教育の根本規範とされた「教育勅語」の原本とみられる文書が見つかり、文部科学省は8日、歴史的に貴重な文書として、管理保存を国立公文書館に移管する手続きを始めると発表した。
同省文書情報管理室によると、文書は明治天皇が当時の山県有朋首相と芳川顕正文部相に渡した原本とみられる。2枚組1部で、明治天皇の署名と印が入っているが、関東大震災で文部省の建物が焼失した際に金庫内で蒸し焼きになったといい、紙は黒く変色している 。
原本は1962年に一度公開された記録が残っているだけで、所在不明になっていたが、2012年秋に文科省職員が整理中に東京国立博物館内にある同省の書庫で見つけたという 。
同省はその後見つかった記録などから「本物」と判断。別の書庫などに保管されていた教育勅語の最初に作られた謄本など21点とともに、適切な管理が必要な歴史公文書として、国立公文書館に移管することにした。移管されれば、今後同館で公開される見通しという。