袴田巌さんに「名誉チャンピオンベルト」


WBCのスライマン会長から、姉秀子さん「早く見せたい」

袴田巌さんに「名誉チャンピオンベルト」

「名誉チャンピオンベルト」が袴田巌さんに授与され、記念撮影する姉の秀子さん。ベルトには巌さんの写真も添えられている=6日、東京・大田区総合体育館

 1966年に静岡県で一家4人が殺害された「袴田事件」で、死刑確定後に再審が認められて釈放された元ボクサーの袴田巌さん(78)に対し、世界ボクシング評議会(WBC)のマウリシオ・スライマン会長から「名誉チャンピオンベルト」が贈られた。6日に東京・大田区総合体育館で行われたWBCのダブルタイトルマッチの会場で、授与式があった。

 式には姉秀子さんが代理で出席。スライマン会長から袴田さんの顔写真が入った緑のベルトを手渡されると、顔をほころばせた。「ボクシング界には本当にお世話になりました。みなさんのおかげです」とあいさつ。四方に向かってベルトを掲げると、会場から大きな拍手が湧いた。

 式後、秀子さんは「巌が出てきてうれしいし、皆さんの拍手がとてもうれしかった」と感激した面持ち。袴田さんは現在、健康上の理由から大事を取って入院しており、「早く(ベルトを)見せたい。体調が良くなったら、ボクシングの試合も一緒に見に来たい」と話した。

 WBCは、歴代王者に再審開始を求める署名活動への協力を呼び掛けるなど、袴田さんを支援してきた。スライマン会長は「正義が貫かれ、自由を目の当たりにできてうれしく思う」と述べた。