巨人の菅野智之が開幕戦5勝目、復権への思い
プロ野球のセ・パ公式戦が開幕、「沢村賞」返り咲き狙う
苦しくとも白星に導いてこそエース。巨人の菅野が投じた106球には、そんな気概が詰まっていた。8度目の大役、開幕戦5勝はいずれも球団最多。「大好きな巨人で記録を残せるのは、この上ない喜び」。最高のスタートに実感を込めた。
いかに粘るか。2点を失った後の五回からが真骨頂だった。2死一、二塁から福留をスライダーで空振り三振に取り、グラブをたたく。六回1死二、三塁も無失点。「スイッチを入れて、特別いい内容でなくとも勝てたことがよかった」
新たな誓いがある。オフに滞在した宮古島のホテル。新年を祝う花火が上がった後、仲間に今季の目標を宣言した。それは沢村賞返り咲き。「しっかり言葉にして、自分に重圧をかけるのが大事だと思った」。昨季6勝、チームは3位に終わった屈辱を拭うため、自身が勝つという覚悟だった。
主将の坂本を故障で欠いた開幕戦。「戻ってくるまでチームがいい状態でいるように、先頭に立って引っ張りたい」。ペナント奪還と自身初の日本一へ、一歩を踏み出した。