自衛隊「宇宙作戦群」が発足 、人工衛星を防護
宇宙での安全保障を担う、指揮機能を加えて体制の強化へ
防衛省は人工衛星の防護など宇宙での安全保障を担うための「宇宙作戦群」を発足させ、部隊を置く東京都府中市の航空自衛隊府中基地で18日、記念式典を行った。日本の衛星の位置や軌道を監視する「宇宙作戦隊」に、指揮統制を行う部隊などを新たに加えて70人規模に増強。2023年度開始予定の宇宙状況監視システムの運用に向け体制を整えた。
周辺国は衛星への攻撃や通信妨害を行う兵器を開発しているとされ、情報通信の基盤となる衛星の防護が課題となっている。群司令の玉井一樹1等空佐は「宇宙空間の安定利用のため、能力を磨き、任務にまい進したい」と意気込みを語った。
指揮統制を行う新設の「宇宙作戦指揮所運用隊」は作戦運用のほか、陸海空各自衛隊や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などとの連絡調整を担当。26年度までの打ち上げを目指している宇宙状況監視衛星などの計画も進める。
20年設置の宇宙作戦隊は22年度に「第1宇宙作戦隊」に改称。衛星に対する妨害電波の探知などを担う「第2宇宙作戦隊」を山口県の空自防府北基地に新設する予定だ。