幻の屏風など、英王室所蔵の日本作品を公開へ


家茂がビクトリア女王に贈呈、交流の歴史を物語る展示に

幻の屏風など、英王室所蔵の日本作品を公開へ

1860年にビクトリア英女王に贈られた日本の戦時下のめぐり逢いびょうぶ絵(英ロイヤル・コレクション・トラスト提供)(時事)

 英王室所蔵の美術品を管理する英ロイヤル・コレクション・トラストは15日、過去350年以上にわたって収集してきた日本の美術作品を4月8日から公開すると発表した。江戸幕府14代将軍・徳川家茂がビクトリア女王に贈った後、行方不明になり「幻」とされていたびょうぶ絵が初めて展示される。日英の外交や文化・芸術交流の歴史を物語る展示となりそうだ。

 「幻」のびょうぶ絵は日本の四季を描いた作品。1860年に日英間で交わされた外交上の贈呈品の一部で、今回の展示のための調査で見つかった。ビクトリア朝時代に英国で入手困難な和紙の代わりに、鉄道時刻表の切れ端を使って修復されていたことも分かった。

 展示品には、徳川家康が17世紀初頭にイングランド王ジェームズ1世に贈った甲冑(かっちゅう)が含まれる。昭和天皇が1953年の戴冠式でエリザベス女王に贈った蒔絵(まきえ)手箱も公開される。

 展覧会はロンドン中心部バッキンガム宮殿のクイーンズ・ギャラリーで、来年3月12日まで開催される。(ロンドン時事)