優れた研究に贈る日本学士院賞に河西氏ら9人


自然保護などの研究に贈るエジンバラ公賞には大河内氏

優れた研究に贈る日本学士院賞に河西氏ら9人

日本学士院賞に選ばれた河西春郎氏

優れた研究に贈る日本学士院賞に河西氏ら9人

エジンバラ公賞に選ばれた大河内直彦氏

 日本学士院(井村裕夫院長)は14日、優れた研究業績を対象とした2022年度の日本学士院賞を、脳神経細胞間の接合部の研究で知られる河西春郎・東京大大学院教授(65)ら9人に贈ると発表した。河西氏には恩賜賞も贈る。自然保護や種の保全の基礎となる研究が対象のエジンバラ公賞には、大河内直彦・海洋研究開発機構海洋機能利用部門長(55)を選んだ。

 授賞式は6月に東京・上野の日本学士院で行う予定。受賞者の略歴と業績は次の通り(敬称略)。

 【恩賜賞・日本学士院賞】

 河西 春郎(かさい・はるお)東京大大学院教授。生理学・神経科学。65歳。北海道美深町出身。「大脳シナプスの形態可塑性法則の発見」

 【日本学士院賞】

 武田 晴人(たけだ・はるひと)東京大名誉教授。日本経済史。72歳。東京都目黒区出身。「日本経済の発展と財閥本社-持株会社と内部資本市場」

 侯 召民(こう・しょうみん)理化学研究所主任研究員。有機金属化学。60歳。中国山東省出身。「有機希土類化学の創成と新しい合成手法の開拓」

 齊藤 英治(さいとう・えいじ)東京大大学院教授。物性物理学。50歳。東京都目黒区出身。「スピン流物理学の先駆的研究」

 阿部 彩子(あべ・あやこ)東京大大気海洋研究所教授。地球物理学・気候学・地球惑星科学。58歳。横浜市出身。「氷期-間氷期サイクル10万年周期の機構の解明」

 川人 光男(かわと・みつお)国際電気通信基礎技術研究所脳情報通信総合研究所長。計算論的神経科学。68歳。富山県高岡市出身。「計算論的神経科学による脳機能の解明とブレインマシンインタフェースの開発」

 野田 進(のだ・すすむ)京都大大学院教授。光量子電子工学。61歳。京都府京丹波町出身。「フォトニック結晶による光制御法の極限的開拓と半導体レーザ高度化への応用」

 村上 章(むらかみ・あきら)京都大理事・副学長。農業農村工学・地盤工学。65歳。広島県廿日市市出身。「カルマンフィルタによる逆解析法の展開と地盤工学への応用に関する研究」

 白土 博樹(しらと・ひろき)北海道大大学院教授。医学・医理工学。64歳。札幌市出身。「がんの動体追跡放射線治療・粒子線治療に関する医理工学研究」

 【日本学士院エジンバラ公賞】

 大河内 直彦(おおこうち・なおひこ)海洋研究開発機構海洋機能利用部門長。地球科学。55歳。京都市出身。「分子レベルの高度同位体比分析法を駆使した生物界変動解析法の構築と応用」