「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」開催
東京都美術館で、修復された傑作など珠玉の名品を公開
17世紀のオランダを代表する画家ヨハネス・フェルメール(1632~75)の傑作が日本上陸――。
ドレスデン国立古典絵画館所蔵「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」(4月3日まで)が東京・上野の東京都美術館で現在開催中だ。
同展で注目を集めているのが、フェルメールの初期の傑作「窓辺で手紙を読む女」だ。同作品の背景にある「キューピッドの画中画」の存在は、1979年の調査で見つかっていたが、長らくフェルメール本人が塗りつぶしたと考えられていた。しかし、2017年の研究で、何者かによって塗りつぶされていたことが判明し、フェルメールの描いた当時の姿に修復されることとなった。
修復により現れた画中画には、愛の神・キューピッドが嘘(うそ)や欺瞞(ぎまん)を象徴する仮面を踏みつける場面が描かれており、「誠実な愛の勝利」を表しているという。修復が完了して、鮮やかな色も取り戻した本作品。所蔵館であるドレスデン国立古典絵画館で公開された後、世界に先駆け同展で公開されている。
「窓辺で手紙を読む女」の修復プロジェクトに関しての修復過程の映像やパネル等で紹介している。
このほか、フェルメールと同時期に活躍した巨匠レンブラントの肖像画や、当時人気を集めた静物画をはじめ、17世紀オランダ絵画の黄金期を彩る珠玉の名品約70点を七つの章立てで展示している。
休館日は月曜日と3月22日(ただし、3月21日は開室)。開館時間は9時30分~17時30分。観覧料は一般2100円、大学生・専門学校生1300円、65歳以上1500円、高校生以下は無料。チケットは日時指定予約制で、オンライン・プレイガイドにて発売中。
巡回展が北海道、大阪府、宮城県で行われる予定だ。
(竹澤安李紗)