ワクチン3回目接種、目標の1日100万回超す
岸田首相が接種の様子を公開、有効性と安全性をアピール
政府は4日、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、岸田文雄首相が掲げる1日100万回の目標を少なくとも2月中に2回達成していたと発表した。ただ、接種率はなお先進7カ国(G7)で最下位。首相はペース加速に向け、自身も接種を受け、有効性と安全性をアピールした。
首相は4日の公務後、東京・大手町の自衛隊大規模接種会場を訪問。副反応への懸念から敬遠されがちな米モデルナ製ワクチンの接種を受けた。過去2回は米ファイザー製だった首相は「1、2回目と特段変わったところはなく、違和感もなかった」と記者団に強調。「接種券が届いたらスピード最優先で接種を受けていただきたい」と国民に呼び掛けた。
首相が1日100万回目標を打ち出したのは2月7日。菅義偉前首相が用いた手法の踏襲に当初は否定的だったが、停滞する接種状況を打開するため方針転換。「2月のできるだけ早期に1日100万回を目指す」と関係閣僚に指示した。
4日発表のデータによると、1日の接種回数は、2月18日に100万3648回、同26日に102万1053回となった。ワクチン接種記録システム(VRS)では数日分の接種実績が自治体などからまとめて報告されるケースが多いため、正確な接種回数は時間がたたないと分からない。
2月半ば以降、複数の日で90万回を超えており、目標達成日が今後増える可能性もある。
一方、3回目の接種完了者は4日時点で2906万284人で、2月末までの対象者3752万人を下回る。接種率も22・9%で、イタリア(62%)など他のG7各国から後れを取る。専門家からは、こうした接種率の低さが感染「第6波」の長期化につながっているとの指摘が出ている。
松野博一官房長官は記者会見で「接種券の送付をさらに進め、3回目接種の必要性や交互接種の有効性などの広報に努めていきたい」と語った。